[誕生直後] 誕生!そして救急車で…。

手術室から出てきたばかりのhiro。帝王切開だったので、このときママは麻酔で眠っている。 分娩室の前で待っていた私に、イメージしていた「オギャァ」という泣き声は聞こえず…。無言のまま連れてこられた我が子は、助産師さんに促されると弱々しいながらも声を出して泣いた。生まれたての子をみるのは初めてで何も分からなかった私。実際、その時点では何も告げられていなかったにも関わらず、ビデオカメラを回しながら、何ともいえない不安な気持ちに襲われたのを思い出す。

そのとき、ビデオにおさめられたか弱くもかわいい泣き声は、まったく泣かない今となっては大変貴重。また、写真をよく見ると左足が内側に曲がっているけれど、やはり股関節が脱臼していた。

翌日、救急車で大きな病院に運ばれる。

■この頃のhiroの様子
口元に違和感あり。活気がない。呼吸がうまくできずチアノーゼ(弱)が出る、など

[2日〜48日目] NICUでの日々。

NICUで過ごす。保育器で過ごした期間は約二週間。別の病院に入院していたママが退院し、初めての面会に来た日に保育器から出られ、抱っこをすることができるようになる。生後2週間後に初めて我が子を抱いたママは大泣き。そしてこの後、ピエールロバン症候群と診断される。 まだ鼻にはチューブ(ミルク用)を挿管。呼吸が苦手なので、気道確保のためにうつ伏せ寝をさせるが、本人はあまり心地よくない様子。うつ伏せはちょっと苦手。

■この頃のhiroの様子
哺乳力が弱い。吸テツ反射はあり。2週間後あたりから呼吸は比較的安定。3週目あたりから経口授乳開始(経管併用)。少顎症、高口蓋、歯肉形成異常、左足股関節脱臼、停留睾丸などが発覚

[2ヵ月頃] 退院。親子での生活スタート

病院でのミルク量は注入で1回30ccからはじまり、退院直前にはお口から70ccまで飲めるように。残念ながらママのおっぱいからは飲めない。hiroの口にあった乳首を使って飲んでいる。家に帰ってきてからは飲める量も少しずつ増える。

お風呂が大好きなhiro。ベビーバスにぷかぷか浮きながら、気持ちよさそうなホントにいい顔をみせてくれる。顔と頭に湿疹ができたのでちょっとかわいそう。お風呂の前に裸で体重測定が日課。増えてるかな〜と、パパとママがドキドキする時間。

■この頃のhiroの様子
すべて経口授乳に切り替え。哺乳力は弱い。呼吸は安定(授乳時以外)。筋緊張低下。脳の萎縮、右足股関節脱臼が発覚、ミルク量は徐々に増量、体重4314g(79日目現在)

[3ヵ月頃] 搾乳、授乳、搾乳、授乳の日々。

左の写真は舌を出して手首をなめている決定的瞬間。hiroなりに少しずつ動きが出てくる。ようやくベビーカーでお散歩に出かけられるようになる。

生後90日目あたりの『哺乳料と体重についてはこちらから→

■この頃のhiroの様子
母乳から人工ミルクへ徐々に切り替え。哺乳力は弱い。顔を背けて哺乳を嫌がる。呼吸は安定(授乳時以外)。首がすわる気配はなし。授乳回数を減らしたため、総ミルク量は減少。体重4798g(98日目現在)

[4ヵ月頃] 母乳から人工ミルクへ完全移行。

この頃ようやく、親の気持ちに余裕が出てくる(以前よりは)。もっとも大きな要因は母乳から人工ミルクに完全移行し、授乳回数を減らしたこと。「搾乳→授乳」のサイクルから解放されることで、体力的・精神的にずいぶん楽になった。パルスオキシメーターもはずす時間を少しずつ増やしはじめる。

生後120日目あたりの『哺乳料と体重についてはこちらから→

■この頃のhiroの様子
人工ミルクに完全移行。授乳回数は1日6回に。哺乳力は変わらず弱く、1回の哺乳量も平行線(700cc前後/1日)。顔を背けて哺乳を嫌がる。パルスオキシメーターをはずす。手足の動きは活発になってきたが、全身の筋力が弱く、首がすわる気配はなし。手や指を頻繁に舐めるようになる。普段はほとんど泣かないが、アーウーとごくまれに小さく声を発する。プラダーウィリー症候群の疑いがあると告げられる。

[5ヵ月頃] えっ?プラダーウィリー症候群?

哺乳力が若干ついてきたことと、ママが飲ませる技を身につけてきたことで、徐々にミルクの量が増えてきた。パルスオキシメーターも完全にはずし、レンタルを解約。自由に抱っこができるようになり、車で外出も。おばあちゃんの家に行ったり、買い物に行ったり…と、順調になってきた頃、プラダーウィリー症候群と診断され、どん底に…。

生後150日目あたりの『哺乳料と体重についてはこちらから→

■この頃のhiroの様子
授乳回数は1日6回。哺乳力は少しついてきたが、飲む気がないことも多い(700cc前後/1日)。全身の筋力はまだ弱く、首がすわる気配はなし。普段はほとんど泣かない。遺伝子検査の結果、プラダーウィリー症候群と診断される。

[6ヵ月頃] 新たな障害が明らかに…新たな試練のはじまり。

プラダーウィリー症候群と診断されたことによって、安定しつつあった親の気持ちは振り出しどころかマイナス状態に。それでもなんとかがんばれるのは他でもない、hiro本人が少しずつ成長してくれているから。無関心だったおもちゃに手を伸ばし、うつぶせ状態から少しだけ苦しそうにだけど、頭を上げられるようになった。時折見せるぐずったような顔も、以前はなかった表情で、かわいくてたまらない。悩みながらも、いつも最後には我が子に救われているなとつくづく思う日々。

生後180日目あたりの『哺乳料と体重についてはこちらから→

■この頃のhiroの様子
授乳回数は1日5回に。哺乳力は少しついてきたが、飲む気がないことも多い。力の限り仰け反って嫌がることも。(800cc前後/1日)。うつぶせ状態から少し頭を上げられるようになるが、首がすわる気配はなし。