まずは、障害を認めること。PWSっ子を育てる上で最も大切なことだと考えています。
プラダー・ウィリー症候群と診断されたばかりの頃は、情報が不足していて不安が募るばかりでしょう。生まれたばかりの頃は分からず、hiroは6カ月の頃に2つ目の病院で疑われ、検査し、診断されました。「15番染色体の欠失」。なんのことだか分かりませんでした。すでに済んでいて異常なしと言われていた通常の染色体検査では分からないそうです。hiroはFISH法という検査で分かりました。
下記はプラダー・ウィリー症候群の概要です。『竹の子の会』のWebサイトより一部を抜粋し引用させていただきます。
プラダー・ウィリー症候群は、新生児期の筋緊張低下および、哺乳障害、発達遅延、低身長、性腺機能不全などを特徴とする症候群です。発生頻度は10000人ないし、15000人に1人と考えられています。
過食はPWSの主な症状で、その原因は満腹中枢の障害に起因すると推測されています。いくら食べても満足感がなく、常に空腹状態で、しばしば盗食が見られます。基礎代謝が低く、運動能力も低いことから、体重は増加の一途をたどり、20歳頃から糖尿病になる確率が高くなります。過度の肥満は睡眠時の無呼吸や、高血圧、動脈硬化等の症状も引き起こします。
PWSは年齢とともに病像が変化するのも特徴の一つです。幼児期は人なつっこくてかわいいのですが、次第に執拗さ、頑固さ、こだわりや思い込みが強くなり、周囲とのトラブルが多くなります。かんしゃく等の感情の爆発や、放浪癖がみられることもあり、性格や行動の問題が年齢とともに強くなります。
一般的に言われる「PWSの特性」と「hiroの特性」は微妙に違います。
大人も子どもも含めて、実際にプラダー・ウィリー症候群の方にお会いして思うのが、やはり人それぞれだなぁということです。似ている部分、共通する特性もありますが、間違いなく一人ひとりに個性があります。体型は成長ホルモン治療をしているかどうかで大きく変わりますが、受けていない子でもスリムな子が稀にいます。
また、気になる過食や盗食ですが、hiroに関しては見られません(10歳現在まで)。ただ、食への関心は非常に高く、しょっちゅう食べ物の話をしたり気にしたりしているので、頭の片隅に常に食のことが張りついているように感じます。食べることで満足感が得られていることは、食べているときの幸せそうな様子を見ていても伝わってきます。満腹中枢に異常があるような記述も見たことがありますが、だからといってhiroは常に空腹状態であるようには見えません。なので、満腹中枢の異常があるとしても、食べ過ぎてしまう要因にはなっても、常に食への関心が強いことへの原因ではないと思っています。
他者への関わり方は人によって違いますが、心を許している相手に対しては積極的な子が多い気がします。hiroもそのタイプですが、基本的にニコニコしているので大人や年上の子にはかわいがってもらえます。学校から帰ってきてから遊ぶような仲の良い友だちはいませんが、学校で困っていたら助けてくれるような友だちは何人かいます。